ラテン語必備書

 

・『ギリシア=ラテン講座』(鉄塔書院)

 

・國原吉之助『古典ラテン語辞典』

・田中秀央『羅和辞典』

 

 

・二宮陸雄『ラテン語文法』

・二宮陸雄『ラテン語構文と語法の研究』

・呉茂一『ラテン語入門』

・呉茂一『ラテン語小文典』

泉井久之助『ラテン広文典』

・ 

・『思想の自由について』 スピノザ 畠中尚志訳注 羅和対訳

英語上達参考書

英語学習に於いて良書を置いておくことは、大切で、必ず英語が上達するには、良書に寄らざるを得ない。 

 

 

 英文解釈

 

・高村勝治『解明英文解釈』

・中澤一の『中澤のミッション大学英語攻略バイブル 旧約篇 新約編』

・朱牟田夏雄『英文をいかに読むか』 

・朱牟田夏雄『翻訳の常識』

・朱牟田夏雄『モーム抄』

・朱牟田夏雄『英米現代文演習』

・芹沢栄『英文解釈法』

柴田元幸『翻訳教室』

青木常雄『英文解釈の研究』

・荒牧鉄雄『現代英文解釈法』

                  『現代英文解釈』

・多田幸蔵『英文研究法』

・野町二『英米現代文の研究』

・安藤貞雄『アトム英文叢書 黒馬物語』

安井稔『納得のゆく英文解釈』 

・中原道喜『基礎英文問題精講』

・清成孝『英文解釈一日一題』

・佐々木高政『英文解釈考』

・中西信太郎『英文解釈の基礎』

                      『英文解釈の方法

    英文学者らしい訳文だと思う。

・中西信太郎『熟語構文 英文解釈問題』

・河合茂『錬成英文解釈』

龍口直太郎訳注『現代作家選 第一集、第二集』 評論社

東京大学昭和八英会『現代英文選』

 

 

 英文法

・木村明『英文法精解』

              『詳解英文法』 

・安藤貞雄『現代英文法講義』 

・細江逸記『英文法汎論』

・細江逸記『精説英文法汎論 第1巻』

 

 

 英作文

・山田和男『英作文研究』

     『和文英訳研究』

・山崎貞『和文英訳研究』

 

 英英辞典

Oxford English Dictionary 

英語学者の必備書。英単語の説明の英文も大変素晴らしく、名文である。

 

 

英和辞典

・『ワードパワー英英和辞典』

・『ケンブリッジ英英和辞典』

・『岩波英和辞典』田中菊雄

・『表音小英和』三省堂

斎藤秀三郎『熟語本位 英和中辞典』

 

 その他

 

・英和辞典うらおもて 忍足欣四郎 岩波新書

 

雑誌『ふらんす』(白水社)について

『ラルース仏和辞典』などで有名な白水社のかつて発行されていた雑誌『ふらんす』は、大変良く出来た雑誌で、関口存男の『基礎ドイツ語』に比肩しうると思う。

 

 

ー僕、この頃、あなたの『新訂基本フランス文典教科書』でフランス語を勉強しているのですが、時々どうも上手くいかなくて困っています。一つ質問させて下さいませんか。

ーどうぞ。

ー課ごとについていの練習問題ですが。あれは、規則とversionを頭に叩き込んで置いたら、捌ける仕組みになっているのでしょうか。

ーそうです。どんな単語も漏れなく覚え込んでおかれたら。

ーところで、僕、仰るだけの苦労をしている積もりですが、第二課のThemeの第一題「この街は、賑やかでない。」というのが、どうも上手く切り回せません。

ー至って簡単な問題なんだが、何処が上手くいかないんです。

ー「賑やかな」という形容詞が見つからないのですが。

ー見つかります。

ーそう仰っても。

ー第一課のversionの中にちゃんとあるのですがね。

ーなあんだ。第二課に第一課まで持ち込ませるのですか。

ーいいじゃないですか。済んだところを済んだところにしない所に、著者の苦労があるのです。

ー意地が悪いなあ。

ーそうではない。至って親切なのです。

ー参ったな。するとversion1の何処に石を伏せてあるのでしょうか。

ー探してご覧なさい。

ーええと、ちょいと探せませんが。

ーじゃ、第五の文章を読んでみて下さい。

ーL'activite est grande autour de la gare centrale.

ー率直に言うと、君の読み方には、一向締まりがありませんな。

ーと仰ると。

ー言葉一つ一つから、ちっともリズムが感じられないというのです。初めの主格として使われている名詞のL' activiteにしても、L'ac-ti-vi-teと四つの音節を持っている言葉であるのに、四つの語音がだらりと続いている切りで、例えば秒を刻む時計の音を聞く感じがない。♪♪♪♪と言った具合に音符を正確に読む心得がないと、フランス語の持っている言葉のリズムは、生きてきません。grandeというか形容詞を読む場合にしても、♪♪と言った具合に音を運べば、自然言葉としての美しさが出てくるわけです。

ー嫌に難しい事を仰いますね。

ーそうでしょうか。だけど、フランス語を学ぶ場合には、至って大切な事なので、後になってて落ちを埋める様なやり方をせずに、初めから手落ちのない勉強をするのが良い。難しい事の様だが、この事は、歌を歌う事と、物を言う事を、二つの事と考えない心掛けがあれば、割合楽に片付く問題です。まあ、精々やってみて下さい。それはそうと、今の文章の訳は。

ー「中央停車場の周りは、活動が大きい。」

ー言葉一つ一つを辿れば、当にその通りです。だが君は、言葉を読んでいて、言葉の裏を読んではいません。だから、「活動は、大きい。」と言う様な、何ともこなれの悪い言葉が飛び出してしまうのです。どうです、言葉を読み取って見ませんか。

ーああ、そうか。これが「賑やかだ」と言うわけなんですね。

ーそうです、勿論です。そうすると、君の引っ掛かっている「この街は、賑やかでない。」と言うのは、どうなるのですか。

ーええと、L' activite n'est pas grande

ーその続きは。

ー困ったな。

ー困る事は無いでしょう。「中央停車場の周りは」が、autour de la gare centrale

だから、autour de の代わりに、「においては」と言う意味の前置詞を持って来て、その後に「この街」に相当するフランス語を添えればいいんです。

ーdans ce rue でいいでしょうか。

ーdans は、結構だが、ce rue は、いけません。

ー?

ー名詞のrue は、男性では無く、女性です。

ーああ、そうですか。じゃ、dans cette rue.

ーそれで、君の疑問は、解けた訳だが、文字を読む癖が、君を笑止にも迷路に追い込んだのです。煩く言う様ですが、事柄を読む心構えが無くて文字を読んだところで、文章の本当の意は、掴めません。だから、どんな簡単な文章でも、「活動が大きい。」などと言う熟れの悪さを突き抜けて、一日本人とし可笑しく無い言葉を発見する心意気が大切です。フランス語と日本語とでは、勿論文脈が違うんですからね。一寸、この文章を読んでご覧なさい。

 

ーje suis pret a vous guider cette ville.

 

フランス語について、造詣が深く、また、学も深いと思う。

 

田中菊雄『英語研究者のために』

田中菊雄の『英語研究者のために』は、大変有名であるが、著書の内容を詳細に解説したものはないのではないだろうか。著書では、参考書として多数の読破すべき書籍を掲げているが、読破すべき書籍の数は、必読の研究社の英文叢書から始まり、優に数百を超過するのではないだろうか。松本博士は、蔵書は、二千冊以上で、それ位は読破すべきだと言うが、英語を修得するには、それ位は読破しなければ、英語を修得することは難しいのだろう。英語修得の条件として、必備のOEDとCOD、POD等の辞書類、原書数千冊が目安となるだろうか。

『黒馬物語』安藤貞雄 註解 直読直解アトム英文叢書

安藤貞雄は、『現代英文法講義』で高名であるが、『黒馬物語』のMrs. ; Mr.の説明も傾聴に値すると思う。

 

諸君が習った英語教科書等では、大抵、Mrs. とか Mr. の様に、ピリオドが打ってあったのではないでしょうか。だとすれは、この物語を読んでいて Mrs とか Mr の様に、後にピリオドが打っていないのを見て、少なくとも奇異な気持がしたに違いありません。でも、実は、この様な語にピリオドを打たない方式もあるのです。つまり、ピリオドを打つ方式は、アメリカ式のものであり、ピリオドを打たない方式は、イギリスの方式はイギリス式のものであるというわけなのです。日本の英語教科書類にピリオドを打ったスタイルが多いのは、要するに、アメリカの方式に則ったということに過ぎません。この本には、他にも、Dr という形が何べんも現れていましたね。

 

普通、DrやMrなどにピリオドが付いていなかったら、誤植と直ぐに思うのではないだろうか。これも、英語の知識の不足だと思う。他にも、炯眼による解説があり、作者の英語の造詣の深さが窺われる。

 

田中美知太郎『ギリシア文法提要』(『ギリシア=ラテン講座』中)

田中美知太郎の『ギリシア文法提要』は、単行本では存在せず、『ギリシア=ラテン講座』の中に含まれている。内容は、『ギリシア語入門』より極めて詳細である。『ギリシア語入門』の次に読むべき書だと思う。古代ギリシア語は、文法が難解で、文章も晦渋であり、『ギリシア語入門』一冊ではとても間に合わないので、数冊読む必要があり、田中美知太郎の『ギリシア文法提要』も必読書であることは、論を待たない。