フェルマーの最終定理(日本語訳)  

Andrew Wilesのフェルマーの最終定理の論文の日本語訳を書きたいと思います。

 

Annals of Mathematics 141 (3): 443-551

                             Modular elliptic curves

                                             and

                             Fermat's Last Theorem

(モジュラー楕円曲線フェルマーの最終定理

                 By Andrew Wiles                      

Cubum autem in duos cubos, aut quadratoquadratum in duos quadratoquadratos, et generaliter nullam in infinitum ultra quadratum potestatem in duos eiusdem nominis fas est dividere :cuius rei demonstrationem mirabilem sane detexi. Hanc marginis exiguitas non caperet.

                Pierre de Fermat  

 立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。また、4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、冪が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。私は、この定理に関して、真に驚くべき証明を見つけた。この余白はそれを書くには狭すぎる。                                                          ピエール・ド・フェルマー                                    

 もし任意の Q 上の楕円曲線が、X_{0}(N)\ からのモジュラー曲線によって有限被覆であるならば、任意のQ上の楕円曲線はモジュラーであると言われている。任意のそのような楕円曲線は、そのハッセ・ヴェイユのゼータ函数が解析接続し、一般の函数方程式を満たす性質を持つ。(私達がj-不変量はモジュラーであるという場合において)もし与えられるj-不変量の任意のQ上の楕円曲線がモジュラーであるならば、同じj-不変量の全ての楕円曲線はモジュラーであるということは簡単である。1950年代と1960年代に志村と谷山の研究に起因する有名な予想は、全てのQ上の楕円曲線はモジュラーであるというものである。しかし、その予想はただ1967年のヴェイユの書籍で(興味深い読み物の練習問題として)[We]広く知られるようになっただけだった。その書籍の中でさらにヴェイユは、その予想に対して概念の根拠を与えた。それは多くの場合で計算の上で検証されたが、その結果がこの書籍に記載される以前は、ただ有限個のj-不変量がモジュラーであると知られていただけだった。

 1985年にフライはこの予想はフェルマーの最終定理を含むという注目すべき論文を出した。その二つを関連付ける正確な論理は、ε-予想としてセールによって定式化され、それからこれは1986年の夏にリベットによって解決された。リベットの結果はただフェルマーの最終定理を演繹するための半安定の楕円曲線の予想を解決するためのものを必要とする。

 楕円曲線の研究の為のアプローチは、楕円曲線にするガロア表現によっている。ρpがQ上の任意の楕円曲線のp等分のGal( ¯Q/Q)の表現であると仮定し、しばらくの間ρ3を既約と仮定する。3の選択は重要である。なぜなら、ラングランズ・タネルの重要な定理が、もしρ3が既約ならば、ρ3もまたモジュラーであると証明しているからである。ρ3が3で半安定であると仮定の下、他の素数で、ρ3の分岐で弱い制限写像と一緒に、ρ3の全てのリフティングはモジュラーであると証明することによって進む。これを証明して私達は可換環論からよく知られているタイプの類数問題へと新しい議論の問題に関連づける。そして私達は[TW]の論文の助けを借りてこの問題を解決する。これは、Eがモジュラーであることは、関連した3進数の表現がモジュラーであることの必要十分条件として知られているので、Eのモジュラー性質を証明するのに十分である。