中西信太郎の『英文解釈の方法』は、欠点が全く皆無なほどよく出来ていると思う。
例題[8]
He who would do some great thing in this short life must apply himself to work with such a concentration of his forces as, to idle spectators, who live only to amuse themselves, looks like madness.
着眼と考え方 ①He...must apply himselfと続く。Heにwho would do some great thing in this short lifeという形容詞節がついている。
②He who would do...「~しようと望む人は」Heはある特定の人を指しているのではなく、一般の人を指している。would=wish to「~しようと望む」の意味であることに着眼。
③apply himself to work「仕事に精励する。仕事に打ち込む。」workは名詞。
④with such a concentration of his forces as…「~くらいに力を集中して」such~asを見逃さぬこと。
⑤as…looks like madness「~には狂気に見えるような」
⑥to idle spectators「怠惰な傍観者には」looks にかかる。
⑦who live only to amuse themselves「ただ面白く遊ぶためだけに生きている」spectators を修飾する。
[語句]
apply oneself to 「~に身を入れる」: He apply himself closely to the study of English.「彼は熱心に英語の勉強をした。」
consentration「集中」<consentrate(v.)アクセントの位置を間違いやすいから注意。
spectator「見物人; 傍観者」
amusement「娯楽」
(訳) この短い一生の間に、何か偉大なことを成し遂げたいと望む人は、ただ面白ろおかしく遊ぶためにだけ生きている怠惰な傍観者には狂気と思われるほどに力を集中して仕事に精を出さねばならない。
説明は適切で、他の誰よりも上手く訳していると思う。英語もやはり第一人者の先生について学ばなければならないと思う。