北嶋忠夫の『羅甸語初歩』は、他のラテン語の参考書にはない特徴があり、大変優れているラテン語の参考書だと思う。
翻訳への暗示
第一に直説法の動詞を探し出す。直説法の動詞は、普通一つの文章の最終かその近くにある。この動詞は単数形か複数形かを見、それから、名詞か代名詞かの主格を探し出す。それが単数か複数かの動詞の数と一致する単数か複数かを見る。
主格は大体文章の首頭部近くにある。
見出だした動詞の意味することからもしもその動詞が目的語を持っていたら、目的語を決定することが出来る。
目的語は対格の名詞か代名詞である。ここで、ラテン語の一般法則として、各句の起頭の詞は(普通接続詞か関係代名詞であるが)先行する句にその句は結び付くことを注意せよ。
主格か対格かの名詞は、そこの形容詞と一致する。
接続詞、主格か形容詞をもった主格対格か形容詞をもった目的語と動詞、この四つのものを除けば一文章において、幾らかの詞か句が残されるであろう。これ等は普通奪格か、與格か属格における名詞か形容詞である。奪格と與格は常に殆ど近くの動詞と連結しており、属格はある名詞と連結している。
ラテン語の訳し方が大変詳細に書かれていると思う。